家族3人で迎えた新しい春

春の日差しが差し込むリビングには、朝から悠真のはしゃぐ声が響いていた。

「ママ、見て! ランドセル、似合ってる?」

悠真はネイビーのスーツに真新しい青いランドセルを背負い、くるりと回ってみせた。

「うん、よく似合ってるよ。悠真、お兄さんになったね」

「ほんと? パパも見て!」

「おお、かっこいいじゃないか」

尊に褒められた悠真は、満足そうに笑って飛び跳ねた。

「ママ! 今日って、さくら組の子たちも来るよね?」

「うん。全員じゃないけど、幼稚園で知ってるお友だちも多いと思うよ」

「学校で遊べるかな?」

「そうだね。幼稚園の子たちとも、新しいお友だちとも、たくさん遊べるといいね」

「うん! 早く行きたい!」

悠真は元気よく返事をすると、玄関へ駆けていった。

「ママ、パパ、早く!」

いそいそと子ども用のフォーマルシューズを履いた悠真は、門のところまで駆けていき、2人を振り返った。

「悠真、そんなに急がなくても大丈夫だよ」

「転ばないようにゆっくり歩こう」

「だめ! 早くしないと、入学式が終わっちゃうよ!」

じれたように急かしてくる悠真を見て、ひかりと尊は思わず顔を見合わせて笑った。春の柔らかい日差しに、青いランドセルが光る。やがて3人は手を繋ぎ、桜の花びらが舞う通学路を歩き始めた。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。