事例で考えるDCの活用方法(Eさん)

Eさん(62歳 男性)
〔Eさんがお勤めのe企業の特徴〕
 ・定年年齢:60歳(2027年1月から65歳に引き上げ予定)
 ・退職一時金制度:あり
 ・企業型DCの資格喪失年齢:60歳(定年引き上げとともに65歳に変更)
 ・企業型DCの加入者掛金(マッチング)拠出:あり
 ※Eさんは54歳から企業型DCの加入者になったため、通算加入者等期間が5年8カ月

Eさんは現在は再雇用嘱託で働いており、定年引き上げ後も再雇用嘱託で働くことになっています(処遇は改善予定)。企業型DCの資産は60歳では受け取れないため、運用指図者です。

また資格喪失年齢の引き上げとともに、Eさんも企業型DCの再加入が可能と案内がきました。定年退職後にiDeCoにも加入し、毎月5,000円の掛金を拠出しています。

〈DC活用のポイント〉
企業型DCの資産は通算加入者等期間が10年に満たないため、60歳からは受け取れず、受給可能年齢は63歳です。2027年1月からは企業型DCに「再加入」予定です。事業主掛金額は月額5,000円程度と大きくないですが、企業型DCの手数料は会社負担となります。

なお、再加入に際しては、毎月の掛金の配分指定を再度行う必要があります。

(DC受け取りのポイント)
退職一時金で退職所得控除の枠をほとんど使っているため、年金受給も選択肢の一つです。iDeCoの資産を企業型DCに移換することで、60歳からの2年分も勤続年数に加えることができます。

働き方、生計の維持…自分に合った方法を

20年ほど前までは定年といえば60歳でしたが、高年齢者雇用の定着により60歳で仕事を引退する人は少なくなっています。定年年齢の撤廃(3.9%)や引き上げ(34%)が進み※、60歳以降の働き方やライフスタイルは多様化しています。合わせて退職給付制度も変わっています。とくにDCは定年年齢と資格喪失年齢を合致させる必要がないため、選択肢も多く、企業ごとに設定が異なります。

どのように働き、どのように生活費を確保していくのか。環境や制度が変わっていくなかで、自分に合った方法を見つけていくことが大切といえるでしょう。

※厚生労働省 令和7年「高年齢者雇用状況等報告」