事例で考えるDCの活用方法(Cさん、Dさん)

Cさん(64歳 男性)
〔Cさんがお勤め予定のc企業の特徴〕
 ・定年年齢:65歳
 ・DB制度:なし
 ・企業型DCの資格喪失年齢:70歳
 ・企業型DCの加入者掛金(マッチング)拠出:あるが利用しない

Cさんはc企業に転職予定です。64歳までは企業型DCのない企業にお勤めでしたが、iDeCoに55歳からご自身で加入しており、63歳からiDeCoの資産が受け取り可能になっています。

c企業には選択制の企業型DCがあり、Cさんも加入できるとの案内がありました。
企業型DCの掛金は月額3万円を選択し、マッチング拠出はせずにiDeCoの掛金拠出を続ける予定です。金額は、2026年11月までの間は月額2万円、12月以降は月額3.2万円にする予定です。

〈DC活用のポイント〉
iDeCoの種別変更届や掛金額の変更は、e₋iDeCoで簡単にできるようになりました。手続きにかかる時間も短縮されているため、機動的な変更が可能です。

(DC受け取りのポイント)
70歳まで働いて企業型DCとiDeCoを活用すると、退職所得控除の計算に用いる勤続年数は15年になります。退職所得控除は600万円なので70歳時点の企業型DCとiDeCoの資産額から受け取り方を検討しましょう。退職所得控除枠をiDeCoで使い切ってしまうと企業型DCでは活用できないため、年金受け取りも選択肢となります。

Dさん(64歳 女性)
〔Dさんがお勤めのd企業の特徴〕
 ・定年年齢:60歳
 ・DB制度:あり
 ・企業型DCの資格喪失年齢:60歳

Dさんは60歳で定年退職し、その時点でDBの資産(1500万円)を受け取りました。企業型DCは運用指図者になっており、60歳からiDeCoにも加入しています。

現在は再雇用で働き、昨年度から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取っています。ただし、昨年度は在職老齢年金の仕組みにより、月額5,000円が支給停止になっていました。2026年度から在職老齢年金の支給停止調整額が月額65万円になったため(2025年度までは月額51万円)、支給停止されずに受給できています。支給停止されなくなった5,000円分はiDeCoの掛金を増額しました。

〈DC活用のポイント〉
60歳時にDBの資産を一時金で受給しているため、退職所得控除(38年分、2,060万円)のうち1,500万円を使っています。

iDeCoの加入者になることで、所得税・住民税の軽減効果があるほか、退職所得控除の年数を増やすことができます。ここ数年の株式市場の好調を背景に、企業型DCとiDeCoの資産額がDBと同じぐらいの金額まで増えています。

(DC受け取りのポイント)
65歳になる前に、企業型DCをiDeCoに移換して退職所得控除の勤続年数を通算する予定です。iDeCoの加入で退職所得控除の枠が増えたので、半分を一時金で受け取り、残りは5年分割の年金で受け取る予定です。

※企業型DCがスタートした時に適格退職年金の資産移換が行われており、企業型DCの勤続年数も入社時から起算されている。