家族の関係性は悪く、会話は必要最小限だけ
それでも皆が喜んでくれればと思っていましたが、なかなかそううまくはいきません。
一緒に暮らしてみて初めて、香織一家の関係性が結構ぎすぎすしたものであることを知りました。皆がそろう朝食の席でも、会話は必要最小限だけ。上の孫など食事中もスマートフォンばかり見ていて、話しかけても、「うん」とか「そう」とかしか言いません。
それ以上に不愛想なのが婿で、私が「おはよう」とか「いってらっしゃい」と声をかけても軽く会釈するくらいでほぼ無反応です。私と直接話をすることはなく、必要なことは香織を通して伝えてきます。極力顔を合わせたくないのか、平日の帰宅はほとんど22時過ぎ。当初は婿の分の夕食も用意していたら、香織経由で要らないと断ってきました。
別に上から目線で感謝してほしいなどというつもりはありませんが、もっと普通に接してくれてもいいんじゃないかと思いました。
昨年の敬老の日には下の孫が幼稚園で描いたという私の絵とお菓子をプレゼントしてくれましたが、それだけです。
そもそも、香織一家にはイベントを祝う習慣がないようです。休日も上の孫は部活に出かけ、香織と婿は仕事で疲れているのか昼まで寝ていますから、早起きの下の孫の相手は私がすることになります。
もやもやした気持ちを聞いてほしい…専門家への相談を決意
同居後の2年を振り返ると、家族がいる生活は活気があり、生活に張りができたのは確かですが、一方で、自由な時間が減り、体力的にきついこともありました。下の孫に洋服や玩具を買ってあげたり、夕食に香織や孫たちの好物を奮発したりすることで、ひとり暮らしの頃より経済的な負担も大きくなっていました。
ふとこのままでいいのかと考え始めた時、近所の友人から紹介されたのが、ファイナンシャル・プランナー(FP)の石津さんでした。石津さんはお金の専門家ではありますが、「よろず相談承ります」と言っていて、実際、いろいろな相談事に対応してくださるようです。友人も障害のある息子さんの将来を案じて石津さんに相談を持ち掛け、とても有用なアドバイスをいただいたと喜んでいました。
友人に比べれば私の悩みなど大したことではないのかもしれませんが、もやもやした気持ちを誰かに聞いてほしくて、石津さんの事務所を訪ねたのでした。
●聞き上手な石津さんに同居生活の愚痴をぶつけた谷口さん。石津さんから「我慢する必要はない」と提案されたのは想定外の解決方法でした。後編【「体が動けるうちは自由に暮らしたいの」孫の世話と無愛想な婿に疲弊…60代女性が“限界同居生活”で下した「意外な決断」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
