「子どもと同居なんてするものじゃない」と話すのは谷口由美さん(仮名)。谷口さんには30代の2人の娘さんがいます。3年半ほど前にご主人に先立たれ途方にくれた谷口さんに同居を持ちかけたのは長女でした。今の時代に高齢の親と同居してくれるなんてありがたいと二つ返事でお願いしたものの、いざ同居が始まると、想定外の出来事が幾つも起きました。中でも辛かったのが、血のつながらない娘婿の冷淡な態度だったそうです。

将来に不安を覚えた谷口さんが駆け込んだのが、ある専門家のよろず相談所でした。「あの時に相談しておいて本当に良かった。自分が落ち着いて暮らせるようになって、娘一家のことを冷静にも見られるようになった」としみじみ語る谷口さんに、大変だった同居生活と、専門家との出会いを振り返ってもらいました。

〈谷口由美さんプロフィール〉

東京都在住
64歳
女性
無職
シェアハウス在住
金融資産5000万円

長女に持ちかけられた「同居」の提案

私には、今年39歳と34歳になる娘がいます。それぞれが結婚して家庭を持っています。

主人が亡くなって半年ほど経った時に、上の娘の香織から「お母さん、ひとりだといろいろ大変でしょ? 良かったら私たちが同居しようか?」と持ちかけられました。

香織は婿と当時小学6年生の長男、保育園年少の長女と4人で都内の賃貸住宅に暮らしていました。

私は主人と結婚してから35年以上、ひとり暮らしをしたことがありませんでした。専業主婦なので日常の家事には不自由しませんが、やはり男手がないと不便です。近年は特殊詐欺や広域強盗など物騒な事件が増えていて、高齢での独居には不安も感じていました。ですから、香織の申し出は渡りに舟でした。