Topic②:成長投資を通じた競争力強化や経済効果は注視が必要

今回の骨太の方針では、強い日本経済の実現に向けて戦略17分野(国の競争力強化や安全保障、産業再興を目的に重点投資・支援を行う産業・技術分野)を定めて、各分野で2040年度までに官民総額370兆円超の投資を行う方針が示されました。これから日本経済がどの分野を伸ばし、どこに資金を投じて企業の競争力を高めていくのかという「勝ち筋」が明示されています。

戦略17分野の中でも、AI・半導体については日本の経済成長と安全保障強化に寄与するとして、特に優先度の高い分野に位置付けられています。一方、投資対象を17分野まで拡大したこともあり、AI・半導体分野における投資額(2040年度までに100兆円超)は世界の競合企業と比べても十分な規模とは言えません(下図左上)。実際、米国のハイパースケーラーと呼ばれる、世界中に大規模なデータセンターを持つクラウドサービス企業の設備投資額は急速に拡大しつつあり、2026年は年間で100兆円超の投資が見込まれています(下図右上)

政府は「中長期の経済財政に関する試算」の中で、今後の成長投資を通じて2030年代後半に1%台後半の実質GDP成長率と3%台半ばの名目GDP成長率を見込んでいます(下図下段・成長戦略実現ケース①)。ただ、AI・半導体分野などにおいて日本企業が競争力を高めることが出来なければ、現状投影ケースの実現が意識されることで、政府債務残高対GDP比の上昇や財政悪化懸念に起因した金利上昇へと波及する恐れがあります。

そのため、各戦略分野における成長投資の進捗や経済成長率への効果は今後も注視していく必要があると考えます。

 

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関連リンク:https://www.resona-am.co.jp/market/report_s/2026/260819_m.pdf

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