2026年後半の投資環境見通し:マクロ環境・金融環境
マクロ環境:“AIこそすべて?!” 米国経済の命運を握るAI投資
AI関連投資が米国経済の牽引役となっています。2026年1-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+2.4%となる中、情報化投資(IT機器とソフトウエア投資)の寄与度は+1.0%に達し、成長率全体の約4割を占めます。更にデータセンターの急増に伴う電力インフラ拡充などの波及効果やAI関連株の高騰による資産効果が個人消費を刺激していることを勘案すると、AI関連投資の拡大が米国経済を実質的に支えていると言えます。
今後は、この巨額のAI投資が労働生産性の持続的向上に結びつくかが焦点となります。
直近6月と7月のFOMC声明文で「労働生産性」と「設備投資」は力強い(strong)と評価されています。今後についてもFRBの期待は高く、ウォーシュ議長が立ち上げた5つの作業部会の一つ『生産性と雇用』では、AI投資の経済的影響の検証が進められており、今後の政策判断への反映が模索されています。
AI投資への過度な期待に対し、各方面で懸念の声が上がっています。しかし、労働人口の増加ペースが鈍化する米国経済において、潜在成長率を維持・拡大する為には、AI投資を通じた労働生産性の向上が極めて重要な経路となることは明白です。その認識は、米国政府・金融当局間で共有されているとみられ、AI投資の推進とそれに伴う米国の技術的優位性の確保は、国家的な成長戦略として位置付けられていると考えられます。
今後、一部のハイパースケーラー※の失速など紆余曲折は想定されるものの、巨額のAI投資が数年程度で終息する一過性のブームに留まる可能性は低いと予想されます。
※:世界中に大規模なデータセンターを持つクラウドサービス事業者

