金融環境:燻る利上げ圧力、物価抑制と新議長への信認が焦点に

ウォーシュFRB議長は7月FOMCにおいてインフレ率が5年以上にわたり2%目標を上回っていることを踏まえ、物価安定を最優先する姿勢を改めて強調しました。当社では、長期期待インフレ率が安定していることに加え、賃金上昇を伴う持続的なインフレ圧力が限定的であることから、FRBは政策金利を年内は据え置くと予想しています。ただし、①物価指標の上振れ、②FRBのインフレ対応の遅れに対する市場の警戒感が強まる場合には利上げの可能性が高まる点に留意が必要です。

①についてはFRBが基調的なインフレ動向を重視していることから、PCEデフレーターや刈込平均インフレ率※1、コアCPI前月比の減速基調が維持されるかが焦点となります(下図上段)。また、AI関連投資の拡大に伴う半導体価格の上昇が続いていることから、インフレ上振れに繋がる可能性があり注視が必要です(下図中段)。②については7月FOMCのウォーシュ議長の会見で、政策運営の先行きに関する示唆が限定的だったことから、市場ではインフレ対応の遅れが意識され長期金利が上昇しました。今後はFRBに対する市場の信認を映すイールドカーブ※2の長短金利差の変化にも要注目です。

2027年に向けてはFRBのバランスシート政策が焦点の1つになると予想します(下図下段)。ウォーシュ議長はこれまでの量的緩和※3によるマネーサプライ拡大が粘着的なインフレの一因との見方を示しています。仮にバランスシート縮小が実施される場合、債券・株式市場に下押し圧力が生じる可能性があり留意が必要と考えます。

※1:価格変動の大きい品目を除外して算出される物価指標。 ※2:国債の残存期間ごとの金利水準を示す曲線。 ※3:中央銀行が国債などの資産買い入れを通じて、経済全体に流通する通貨の総量(マネーサプライ)の拡大を促す政策。

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関連リンク:https://www.resona-am.co.jp/market/report_s/2026/260819_m.pdf

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