義母の理不尽な要求に困惑
「健太は大事な一人息子なのよ。自分の老後資金だって貯めなきゃいけない大事な時期なのに、なぜ人の連れ子を養わなきゃいけないの? 葵ちゃんの学費に結婚資金……息子がどれだけお金の苦労をするか考えただけで、夜も眠れないわ!」
フミ代はカバンから一枚の紙を取り出した。
「これにサインしなさい。『健太の給料からは葵ちゃんの教育費を出さない』『もし離婚しても養育費や財産分与は一切請求しない』という誓約書よ。どうしても結婚すると言うなら、息子に迷惑をかけないという“覚語の証”を見せてちょうだい!」
再婚で子持ちということもあり、結婚を反対されるかもしれないと覚悟はしていた。だが、まさかここまでとは――理不尽すぎる要求に頭がクラクラした。息子の将来を過剰に心配する義母から、法律上の権利さえ放棄させられそうになるとは思いもしなかった。
「いい加減にしてくれ」
沈黙を破ったのは、隣に座っていた健太だった。
「心配してくれるのはありがたいけど、俺はもう40歳の大人だぞ? 自分の人生や資産の管理くらい自分でできる。真由美と葵ちゃんを支えることも自分の老後も、全部考えて覚悟の上で結婚を決めたんだ。俺を理由にして、真由美に理不尽な要求をするのは金輪際やめてくれ!」
「な、なんですって!? 私はあなたの将来を心配して……!」
「おふくろが心配しているのは俺のことじゃない、自分の安心のためだろ。これ以上、真由美たちを傷つけるならもう会わない」
激昂するフミ代を冷たい目で見つめ、健太は私の手を強く握りしめた。
●ところが暴走は収まるどころかさらにエスカレート。新生活を始めた3人のもとに義母が押し掛けてきて……。後編【「息子の財産を狙うな!」新居に押し掛け大騒ぎの義母…見かねた40歳夫が下した“究極の決断”】で詳説します。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
