<前編のあらすじ>
結婚約10年の伊織と信吾の夫婦。伊織は義母・一恵が信吾より弟・義弘を露骨にかわいがることに不満を抱いていた。一恵は夫を亡くしてから将来が不安だとして、信吾から6年間、毎月5万円の仕送りを受けている。
お盆に義実家へ帰省すると、一恵は義弘を気遣う一方で、信吾の仕事にはほとんど関心を示さず、伊織は改めて兄弟間の扱いの差を感じる。
その後、伊織は偶然、一恵が義弘の妻・麗香に現金を渡している場面を目撃する。さらに、義弘一家には普段から金銭援助をし、ゴールデンウイークには温泉旅行の宿代まで負担していたことが判明。一恵は「お金の心配はない」と話していたと知り、伊織の戸惑いは怒りへ変わっていった。
●前編【「将来が不安だから」と“月5万”を当然のごとく要求する義母…不満爆発の長男嫁が帰省先で目撃した「信じられない行動」】
仕送りへの疑念が消えない妻
麗香との話が終わり、伊織は居間に戻ったが、一恵や義弘たちの話に相づちを打ちながらも、麗香から聞かされた言葉が頭から離れなかった。
その夜は一恵が用意してくれていたオードブルなどを食べ、就寝をすることになった。寝室で伊織が寝る支度をしていると、信吾から声をかけられた。
「伊織、何かあった?」
「え?」
「いや、なんかずっと考えているような顔をしてたからさ。なんかあったのかなって思って」
伊織は信吾に話をしようか迷った。ただ、今のささくれだった気持ちのまま話しても、どうしても感情的になってしまう気がしていた。少し時間をおいて気持ちを落ち着かせるためにも、帰省中はこの話をしないでおこうと伊織は思った。
「ううん、何でもないよ」
伊織が首を横に振ると、信吾は「そっか」とうなずいて布団に横になった。
