シンママの再婚に立ちはだかる“義母”という壁
「お願いだから、健太を解放してちょうだい!」
喫茶店の静かな個室。向かいに座る健太の母・フミ代(68歳)は、ハンカチを握りしめながら必死の形相で私に訴えかけた。
私、真由美(36歳)はシングルマザー。離婚してから5年間、娘の葵と二人暮らしを続けてきた。前夫の身勝手な浮気で傷つき、「もう二度と結婚しない。葵を守ることだけに生きる」と心に誓って必死で生きてきた。
そんな頑なな心を溶かしたのが、会社の同僚である健太(40歳)だった。
ただの同僚だった頃、連日の残業とワンオペ育児で私が職場で倒れそうになったとき、健太は余計な口出しをせず、私のデスクにそっと温かい栄養ドリンクと「無理しないで」という小さなメモだけを置いて去っていった。その押し付けがましくない距離感と優しさに、どれほど救われただろう。
その後、自然な流れで交際が始まってからも、健太の姿勢は変わらなかった。葵の誕生日に「真由美さんを毎日笑顔にしてくれてありがとう」と小さな花束を贈り、二人で歩くペースを優しく見守ってくれたのだ。
「真由美さんの過去も葵ちゃんのこれからも、一緒に背負いたい。二人を幸せにさせてほしい」
40歳という落ち着きと包容力を持った彼の誠実な言葉に、私はようやく「もう一度、人を信じてみよう」と未来を描くことができたのだ。
だが、そこに立ちはだかったのが健太を手塩にかけて育ててきた母親、フミ代だった。
