善意で作った会費の案内
その日の夜のうちに、望海はさっそくパソコンに向かい、PTA会費についてのおたよりを作り始めた。会費の金額や納入期限、支払い方法をはっきりと分かるように記し、用途までわかりやすく説明した。国によってはPTAという組織そのものが馴染みのないものなのかもしれないと考えたからだ。学校に関係する費用とはいえ、授業料などとは別に、保護者が学校側をサポートするための会費を納める理由や仕組みがうまく伝わっていない可能性もある。だから、会費を納める意味が伝われば、理解してもらえるはずだ。
しかし、完成したおたよりは学校を通して各家庭に配られたものの、新たに会費を納めたのはたったの2世帯だけだと、翌月のPTA会議で伝えられた。
「どうして……」
作った配布物に自信があっただけに、望海のショックは大きかった。
●外国籍の家庭を中心に、58世帯ものPTA会費が未納となっていることを知った望海。金額や期限、用途を丁寧に説明したおたよりを作ったものの、納付したのはわずか2世帯だけだった…… 後編【払う意思なし?外国籍家庭へ懸命に訴えても届かないPTA会費…娘のプリントが暴いた“致命的な盲点”】にて、詳細をお伝えします。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
