ペアローン利用率・借入期間・金利形態にも地域差
続いて、具体的な借入形態に目を向けてみます。まず、ペアローンの利用割合ですが、首都圏が25.6%と最も高く、次いでその他地域が22.6%となっています(図表2)。一方で、中京圏は15.2%にとどまり、単独ローンの割合が相対的に高い結果となりました。同じ住宅購入でも、誰の収入を前提に借り入れるかという点に、地域ごとの違いが見て取れます。
【図表2】エリア別 借入形態
※回答者:住宅ローン返済中かつ2021年以降に住宅購入、借入額「わからない、覚えていない」回答除く
借入期間については、「35年」が全国的に事実上の標準となっています(図表3)。ただし、それだけではなく、36年以上の超長期ローンの利用も一定程度広がっています。特にその他エリアではその割合が高く、毎月の返済額を抑え、家計に余裕を持たせることを重視した選択が進んでいる様子がうかがえます。
【図表3】エリア別 借入期間
※回答者:住宅ローン返済中かつ2021年以降に住宅購入
※5.0%未満はグラフ内表記省略
さらに金利形態を見ると、都市部では変動金利の割合が高く、その他エリアでは固定金利の割合が比較的高いという構図が確認されました(図表4)。これは単なる商品選択の違いというよりも、物件価格の高低、金利上昇リスクへの向き合い方や、家計の安定性に対する考え方が地域によって異なる可能性を示しています。
【図表4】エリア別 金利形態
※回答者:住宅ローン返済中かつ2021年以降に住宅購入、金利形態「その他」・「わからない」回答除く
選択の違いは前提の違いから
ここまで見てきたように、住宅ローンの借入形態には確かに地域差が存在します。ただし、それは優劣の問題ではありません。それぞれの地域における住宅価格、収入水準、働き方といった前提条件の違いが、自然と選択の違いとして表れていると考えるのが妥当です。
住宅ローンは長期にわたる意思決定です。だからこそ、「どの方法が一般的か」だけで判断するのではなく、自身の置かれている環境や家計の状況に照らして考えることが重要になります。
次回のコラムでは、こうした住宅ローンの選択が、家計や資産形成とどのように結びついているのかを掘り下げていきます。住宅購入後の暮らしにどのような違いが生まれているのか、データをもとに見ていきます。
●詳細記事:住宅価格が上がる今、購入後の家計はどうなっているのか? データで見えてきた「返済の実態」
(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 桝本 希)



