「同情はするけど」

「気持ちのいい天気ね。すがすがしいわ。もうゴミを捨てに来る人もいないし」

約1ヶ月後の土曜日。晴子は庭先にベンチを出し、日向ぼっこをしていた。

その様子を見ていた洋之は、晴子の意見に同意する。

「そうだな。もう騒音に悩まされることもなくなったし」

「あなたのおかげよ。すべて片付いたのは」

晴子は満足そうに言った。

「町内会に相談したのが良かった。他にも迷惑行為の被害者がいたので、連名で佐藤さんと交渉したら、非を認めて謝罪してくれたからね」

「民泊営業をやめると約束してくれたんだよね」

晴子が言うと、洋之はうなずいた。

「お金に困って、やむを得ず民泊を始めただけで、嫌がらせするつもりではなかったって説明していたよ。自営業だったけど、商売がうまくいかなくなったんだって」

「だから、うちを目の敵にしていたんだね。うちのこと、金持ちだと思いこんでたから」

晴子はため息をついた。

「同情はするけど、うちを恨むのはさすがにちょっとね。そんなお金持ちってわけでもないし」

洋之は笑った。

「まあ、とにかく問題が片付いたから、それでいいじゃないか」

洋之にとっても、自分の対応によってトラブルが片付いたため、今回の事件はちょっとした成功体験だと感じ、今では鼻が高いのだった。

 

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。