投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、みずほ銀行。

みずほ銀行の投信月間販売額ランキングの2026年5月のトップは5月26日に新規設定された「One/ティー・ロウ・プライス インフレガード&オポチュニティ・ファンド(モデレートコース(標準))(愛称:IGO)」になった。第2位も「One/ティー・ロウ・プライス インフレガード&オポチュニティ・ファンド(オポチュニティコース(積極))(愛称:IGO)」、第6位が「One/ティー・ロウ・プライス インフレガード&オポチュニティ・ファンド(ガードコース(安定))(愛称:IGO)」が入った。「IGO」の3コースすべてがトップ10に入り、トップ2を占めるなど、同行の取り扱いファンドの中軸に位置付けられていることを印象付けた。前月トップだった「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は第3位に、前月第3位だった「キャピタル世界株式ファンド」は第4位に後退した。また、トップ10圏外から第8位に「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」、第9位に「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」、第10位に「シティグループ社債/One米国株式・金戦略ファンド2026-06(愛称:おまもりOne・M3)」がランクインした。

 

※みずほ銀行サイト内「投資信託ランキング」の「月間販売額ランキング」に基づき編集部作成。期間:2026年5月1日~5月31日。
https://www.mizuhobank.co.jp/fund/ranking/index.html

インフレ対応の「IGO」が3コースそろってトップ10入り

みずほ銀行の投信販売額ランキングでトップ2を占めた「IGO」(設定はアセットマネジメントOne)は、「インフレ(物価上昇)」から資産を守りつつ、プラスアルファのリターンが狙うファンドだ。投資対象は、国内株式、国内債券、世界株式(新興国含む)、世界債券(国債、政府保証債、政府機関債、地方債、国際機関債、物価連動債および新興国の債券を含む)、および、REIT(不動産投信)等であり、これに加えて「リアルアセット関連資産(実物資産<エネルギー、天然資源、不動産、素材、インフラ、コモディティ等>に関連した事業(建設、輸送、公共サービス関連事業等を含む)を行う企業の株式等)、および、物価連動国債等に投資する。

3つのコースがあり、「ガードコース(安定)」は運用目標を「日本のインフレ率を長期的に年率1%程度上回るリターン」(参考リスク年率7%程度)に置き、「モデレートコース(標準)」は同2%程度上回るリターン(リスクは年率9%程度)、「オポチュニティコース(積極)」は同3%程度上回るリターン(リスクは年率11%程度)をめざす。実質的な運用は、インフレに関して50年以上にわたる調査・分析・運用実績があるティー・ロウ・プライスが担当する。

「IGO」の特徴は、想定外のインフレ局面で効果を発揮する「インフレ関連資産ファンド」を組み入れている点だ。金利急騰時に効果のある「米国物価連動国債(短期債)」、景気後退とインフレが同時に起こるスタグフレーション時に活躍する「米国物価連動国債(長期債)」、高インフレの継続時に活きる「不動産関連株(REIT含む)」の他、「金関連株」、「天然資源株」、「金属・鉱業株」などを保有することで、インフレ時のリスクを分散している。インフレによる保有資産の目減りを防ぎつつ、株式等の資産によってインフレ率を上回るリターンを獲得することをめざし、長期の資産形成をサポートする役割が期待できるファンドになっている。

半導体銘柄は上がったが明確なトレンドはナシ!?

一方、5月のランキングではトップ10に新たに4本のファンドがランクインしている。第6位に入った「IGO(安定)」の他、第8位に「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」(キャピタル・インターナショナル)、第9位に「netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)」(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)、第10位に「シティグループ社債/One米国株式・金戦略ファンド2026-06(愛称:おまもりOne・M3)」(アセットマネジメントOne)がランクインした。4月のトップ10から外れたのは「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA 年2回決算(分配重視)」、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)」だった。

純金ファンド「ピクテ・ゴールド」や公益株ファンド「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」が落ちて、テクノロジー株ファンド「netWIN GSテクノロジー株式ファンド」が浮上したことは確認できるが、今後を見通せる明確な方向性が読み取れるような動きにはなっていないようだ。資産を守ることに軸足のある「IGO」が前面に出て、“攻め”の資産は投資家も検討中というところだろうか。

執筆/ライター・記者 徳永 浩