「中学受験しない」という発想がなかった妻

洋子さんが中学受験を考えた理由は、生い立ちにあります。彼女は都内の中高一貫校で学び、そのまま系列の女子大へ進学しました。当時の友人たちとは今も頻繁に連絡を取り合っているといいます。子どもの頃から続く人間関係のなかで、現在も比較的裕福な人々に囲まれて暮らしています。

幼なじみには医師や経営者の家庭の子どもも多く、「中学受験をするのはごく自然なことだった」と振り返ります。そのため長女と次女が生まれたときも、ごく自然に「将来はどこの学校を受験するのかな」と考えたそう。

一方、幸一さんは都立高校からMARCHの一校へ進学しています。部活動も友人関係も満喫し、1浪はしたものの納得できる進学先に進み、大学生活も楽しんだそうです。

洋子さんによれば、「夫は学歴コンプレックスがまったくなく、何事もバランスが大事だと考えるタイプ」だそう。だからこそ、小学生のうちから塾代に何百万円もかけることに意味を見いだせなかったのです。

それでも洋子さんが中学受験をしたいと言ったとき、反対しませんでした。長女が小学3年生の終わり頃、大手進学塾へ通い始めるとき、洋子さんはこう説明したからです。

「最初は月3万円くらいだよ。小学校のみんなも通っているし、共働きなら何とかなるよ」

前知識のなかった幸一さんは、「そのくらいなら大丈夫だろう」と考えました。しかし、この「月3万円」の課金は中学受験費用の序の口に過ぎなかったのです。

●追い詰められた夫婦は、どんな決断を下したのでしょうか。後編【夫の昼食は350円、家族で月1のサイゼリヤ…中学受験で困窮した年収900万夫婦が「次女の受験」を諦めたワケ】で、夫婦のターニングポイントを詳しくご紹介します。

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