入居して3年、ケアマネに告げられたこと
父は最初住み慣れた家を離れるのを嫌がっていましたが、入居してほどなくグループホームの生活に適応したようです。父のもとを訪れるのは月イチペースでしたが、スタッフの方が送ってくれるゲームやイベントでの動画では笑顔も多く、楽しく過ごしている様子がうかがえました。
しかし、入居して3年が過ぎた昨年暮れ、あのケアマネさんから連絡をもらい、父が老衰で腎機能が低下するなど終末期に入ってきていること、入居しているグループホームではいわゆる“看取り”の対応はしておらず、別の施設を探す必要があることを告げられたのでした。
グループホームからも、「よく笑ったりしていらしたのに、このところ無表情なのが気になります」「最近はお部屋で休んでいることが多くなりました」「急に具合が悪くなられたりしたら、娘さんの携帯電話に連絡させてもらっていいですか」といった連絡を受けていたので気になってはいたのですが、仕事で大きなプロジェクトの担当になって休日返上が続き、つい、そのまま放置してしまっていたのです。
父の体調が悪化する中で転居を迫られている不安や、仕事が忙しい中でまた施設探しをしなければならないプレッシャーから心が折れそうになった私を、ケアマネさんが「大丈夫! 必ずまた、お父様が安心できる施設が見つかりますよ」と励ましてくれました。
そして有言実行で速攻、施設を見つけてくれたのです。
ケアマネさんにはもう感謝しかありませんでした。
終末期医療を扱う転居先の施設は宗教法人が運営するものでした。隣の市の郊外の広い森の中にあるその施設には、救急車を呼び、ケアマネさんと看護師さん、私が付き添う形で父の身柄を移しました。
引っ越しの当日、グループホームのスタッフの方が全員総出で父を見送ってくださったのにはじんと来ました。中には涙を流している方もいました。
そうして父の新しい施設での生活がスタートしたのですが、ここでとんでもないトラブルが待ち受けていたのです。
●やっとの思いで辿り着いた転居先で、高梨さんはさらなるトラブルに巻き込まれることに……。後編【時計にカーディガン、現金10万円まで…ひとり娘が絶句、施設入居の父から貴重品を盗み続けた“意外すぎる犯人”】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
