高梨潤子さん(仮名)は、ひとりっ子でおひとりさま。30歳を超えた頃からいずれは関西の実家に戻って両親の介護をする覚悟を決めていたそうです。しかし、5年前にはお母様が脳疾患で急逝。その直後から認知症になったお父様もグループホームで3年を過ごした後、終末期対応の施設に転院して息を引き取りました。「母は本当に急に亡くなってしまって何もできなかったけれど、父にはできる限りのことをしたつもり」と話す高梨さん。仕事をしながら介護保険の申請や施設探しができたのは、高梨さんと同い年で境遇の似た“しごでき”のケアマネジャーとの出会いが大きかったと振り返ります。しかし、父の介護で唯一後悔しているのが最期を過ごした施設なのだとか。そこで起きたまさかのトラブルと驚きの結末について、高梨さんに話してもらいました。

〈高梨潤子さんプロフィール〉
愛知県在住
49歳
女性
会社員
シングルで賃貸マンションに1人暮らし
金融資産800万円

何度も同じ話を繰り返す…突然始まった父の異変

5年前に母が亡くなって間もなく、父に認知症の症状が見られるようになりました。

電話口で何度も何度も同じ話を繰り返すのが気になって週末に自宅に帰省してみたら、家の中はちらかり放題。ゆうちょ銀行から下ろしたお金が封筒に入れられたまま、あちこちに放置してありました。不用心極まりありません。

陽キャで友人も多かった母と違い、父は地域での人間関係も希薄で、一緒に出かける友人もいないようです。

このままではまずいと思い、嫌がる父を強引に地元の病院の物忘れ外来に連れていきました。予想していた通り、そこでアルツハイマー型認知症の診断を受けました。しかも、初期ではなく、それなりに進行した状態でした。