インデックスもアクティブも…個性豊かな宇宙・防衛関連の投資信託
では実際に、宇宙・防衛関連の投資信託にはどのような違いがあるのだろうか。同じテーマを掲げていても、投資対象やアプローチは異なる。
まずは、インデックス型の代表格2本から見ていこう。「eMAXIS Neo 宇宙開発」(三菱UFJアセットマネジメント)※は、米国の宇宙関連企業に特化し、成長途上の企業も多く含む。そのため、大きな成長余地が期待できる一方で、値動きも比較的大きくなりやすい。一方、「SMT MIRAIndex 宇宙」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)は日本を含む複数の国・地域に分散投資する設計となっている。宇宙産業全体の成長をより広い視点で捉えるタイプと言えるだろう。
※編集部注:2026年6月12日現在、購入受付を停止している。
アクティブ型では、「東京海上・宇宙関連株式ファンド」(東京海上アセットマネジメント)が特徴的だ。2018年設定と、宇宙関連ファンドとしては比較的長い運用実績を持ち、純資産残高も最大級となっている。同ファンドは、宇宙関連ビジネスを、ロケット・衛星開発だけでなく、データ利用サービスや周辺インフラ、新たな宇宙ビジネスまで含めて幅広く捉えている点が特徴だ。実際、設定当初と比べると、ポートフォリオも徐々に変化しており、近年はサイバーセキュリティやデータ解析、安全保障関連などへの広がりも見られる。現在「防衛テック」人気が本格化する前から、パランティア・テクノロジーズなどを組み入れていた点も興味深い。宇宙産業を単なるロケット開発ではなく、「データ」や「安全保障」と結び付けて捉えている。
また、NISA対象外ではあるが、「欧州防衛・航空宇宙株式インデックスファンド」(三菱UFJアセットマネジメント)もユニークな位置付けのファンドと言える。同ファンドは、欧州の防衛・航空宇宙関連企業に投資するインデックス型ファンドであり、欧州各国の防衛費拡大や安全保障政策の転換を背景としている。特徴的なのは、単なる防衛関連株ファンドというより、「欧州が安全保障面で自立を強めていく」という構造変化そのものに着目している点だろう。ロシア・ウクライナ情勢以降、欧州では防衛産業を域内で強化しようという動きが加速しており、航空宇宙や防衛テクノロジーもその流れの中にある。一方で、足元では欧州株式市場全体の相対的な弱さもあり、米国の防衛テック関連銘柄と比べると、パフォーマンス面ではやや見劣りする局面もある。テーマ性だけでなく、地域要因や市場環境によっても値動きが左右される点には注意したい。
「流行だから追う」のではなく「構造」を理解する
宇宙・防衛関連ファンドの魅力は、個人投資家だけでは分析が難しい専門性の高い分野にアクセスできることにある。一方で、テーマ投資は期待と失望の振れ幅も大きい。そのため、資産形成の中心に据えるというよりは、ポートフォリオの一部として活用する方が現実的だろう。
重要なのは、「何が流行っているか」ではなく、「なぜ成長するのか」を理解することだ。宇宙・防衛関連をめぐる環境は、単なる相場テーマではなく、技術や安全保障を巡る構造変化そのものになりつつある。だからこそ、短期的な話題性だけで判断するのではなく、その変化が長期的にどのような意味を持つのかまで含めて考えたい。
