遠いROIC目標10% 事業再編とリストラ断行、半導体は新技術でテコ入れ

造船や半導体に収益機会が訪れている一方で、全体では課題感もあります。住友重機械工業は採算の改善が遅れており、利益の成長には時間を要する見通しです。

住友重機械工業はROIC(投下資本利益率)経営を導入しており、24年には30年12月期の目標として10%以上を掲げました。しかしながらROICは低下傾向にあり、24年12月期には初めて5%を割り込みます。今期(26年12月期)には8%に達する計画でしたが、25年2月に7%へ下方修正し、さらに現在の目標は4.8%であり、大きく下振れる公算です。

住友重機械工業のROIC(2017年3月期~2026年12月期)
 
出所:住友重機械工業 決算説明会資料より著者作成
 

利益率の改善には長らく取り組んできましたが、今後はさらに加速させます。26年1月には機械式駐車場事業をIHIへ、同年2月には蒸気タービン事業とプロセスポンプ事業を酉島製作所へ譲渡を決定しました。

さらに、住友重機械工業は人的リストラにも踏み切ります。55 歳以上65 歳未満かつ勤続年数3年以上の従業員を対象に希望退職を募りました。関連の費用を今期に25億~30億円を計上し、年間50億円の費用削減効果を見込みます。

一方で、新たな課題も出てきました。住友重機械工業は重点投資領域としてロボティクス・自動化、半導体、先端医療機器、環境・エネルギーを定めますが、うち半導体はAI向け以外が苦戦しており、売り上げは目標を大きく下回る状況です。

先述のとおり、半導体事業はメモリやロジック向けに注力する方針であり、巻き返しを図ります。現在はレーザアニール工法を活用した先端化技術を開発中で、大手メーカーの引き合いもあることから、レーザアニール装置の生産能力は27年に25年比で4倍まで引き上げる計画です。

事業の選択と集中、人員最適化、そして半導体における技術開発が実を結ぶかどうかが、住友重機械工業の今後を左右する試金石となりそうです。