なぜアクティビストは京成を狙ったのか
そもそも、なぜ京成電鉄はアクティビストの標的になったのか。答えは同社の財務構造——「巨大な隠れ資産」にある。京成電鉄の本業(鉄道事業など)は決して弱くない。営業利益はコロナ禍の底、2022年度の102億円から2024年度には360億円へと2年で3倍超に急回復している。
ところが、パリサーが独立専門家に依頼した分析によると、京成電鉄が保有するOLC株式の影響をバランスシートから除外した場合、実質的なPBR(株価純資産倍率)は約0.7倍、真のROE(自己資本利益率)目標は1%未満にとどまるという。つまり市場は同社の本業の稼ぐ力よりも、OLC株という巨大な資産の方を見ていたというのだ。
さらにパリサーは、役員報酬が100%固定という点にも着目、ガバナンスのあり方として指摘した。経営陣が株価や企業価値向上にコミットする仕組みがなければ、資本効率を改善するインセンティブが働かないという懸念だ。「本業の真の実力というよりも、含み益で表面上の数字が良く見えている」——数字で実態を明らかにし、OLC株の保有比率を速やかに15%未満へ引き下げるよう迫る戦術が市場の反応を呼び込んだとみられる。
