マッチング拠出とiDeCo
マッチング拠出が設定されていない企業型DCの加入者は全体の半数程度で、その場合の本人拠出は個人型DC(愛称:iDeCo)を活用するという考え方になります。
iDeCoは、個人がDCを活用するための仕組みです。税優遇効果などは企業型DCのマッチング拠出と同じですが、異なる点もいくつかあります。
① 運営管理費用などの手数料が本人負担(企業型DCはほとんどの場合、事業主負担)
② 企業型DCの加入者がiDeCoを活用する場合の拠出限度額は最大2万円
上記のうち②については、2026年12月以降は企業型DCのマッチング拠出と同様の考え方に変わります。さらに企業型DC、iDeCo(自営業者と第3号被保険者を除く)の拠出限度額がともに月額6万2,000円に引き上げられる予定です。
マッチング拠出の申し込み時期に注意
マッチング拠出について、臨時申し込みを設定している事業所もあります。通常のマッチング拠出の開始や金額変更については、企業型DC規約に時期が定められています。例えば、年1回のみ開始や金額変更を可能にしている規約では、法改正が行われてもすぐには金額を増やせないこともあります。そのため、事業所によっては臨時受付を設定していることもありますが、臨時受付は事業主掛金を超える金額に変更するときのみ可能になっています。マッチング拠出額を引き下げたり、事業主掛金を超えない額に増やすのは、通常の受付月(企業型DC規約に明記)のみとなるのでご注意ください。
何十年後かの老後資産に大きな差
DCのマッチング拠出を利用していない加入者に理由を聞くと「よくわからないから」という回答が多くなっています。2026年4月以降の法改正により、税優遇効果が高まります。マッチング拠出を利用している場合とそうでない場合では、何十年後かの老後資産に大きな開きが出てくることが想定されます。
例えば、5万5,000円を38年間、積立投資すると、投資元本は2,508万円です。仮に2%で運用できたとすると、総額3,737万円になります。一方、国内全体のDC掛金の平均値1.8万円を同様に38年間拠出し続けると、2%で運用できた場合は1,223万円(投資元本は820.8万円)です。
さらに2026年12月からは上限金額が月額6万2,000円まで引き上げられます。DCで拠出できる金額が大きくなれば、DCを通じて蓄積される老後資金も大きくなります。「よくわからない」と放置することなく、より多くの加入者が税優遇を受けながら老後資産形成を行っていけるよう、これからの取り組みがとても重要だといえます。
※国内全体についての引用数値は確定拠出年金統計資料 2025年3月末 運営管理機関連絡協議会から抜粋
