マッチング拠出の利用者は企業型DC加入者の16%

マッチング拠出可能な設定にしている事業主は全体の20%程度です。利用状況を人数ベースでみると、マッチング拠出の利用者は140万人ほどで加入者全体862万人の16%に過ぎません。また、マッチング拠出額は平均で月額8,000円程度と少額です。

導入企業や利用者が少なく、金額も少額にとどまっている理由の一つに、これまでの制度的な制約があります。

例えば、2024年12月まではDB等の確定給付型の制度がある場合の拠出限度額は、事業主掛金とあわせても月額2万7,500円に制限されていました。また、他の企業年金制度がある企業では(DCが退職金制度に占める割合が低いため)、事業主掛金が低額に抑えられています。事業主掛金が1,000円という企業もあり、そうしたケースでマッチング拠出できる金額は2026年4月の拠出分までは1,000円が上限額であり、税優遇のメリット感があまりないといえます。その結果、そもそもマッチング拠出を導入していない企業も一定数あり、利用者も多くはなかったというわけです。

マッチング拠出の金額を増やせないのは、こんな人

マッチング拠出が設定されている事業所の加入者数はおよそ414万人で、企業型DC加入者の半数程度がマッチング拠出可能といえます。ご自身がマッチング拠出をしているかどうか、増額が可能なのかどうかについては、お勤め先のDC制度の担当部署に確認するか、企業型DCの運営管理機関(金融機関)のコールセンターに問い合わせてみましょう。

実際に拠出できる金額は、前述の二つの制約のうち①が残っているため、5万5,000円から事業主掛金(DB等がある場合は他制度掛金相当額も合算)を引いた金額となります。例えば事業主掛金が5,000円であれば、5万円までマッチング拠出が可能です。所得税5%、住民税10%であれば、税優遇は年間9万円です。5,000円の場合は10分の1の9,000円ですから、その差は大きいといえます。

一方で、以下のような方はマッチング拠出を増やせない可能性もあるので、ご注意ください。

① DB等の他制度掛金相当額が大きく、拠出上限額が月額5万5,000円ではなく2万7,500円に設定されている場合
② DCの事業主掛金額が大きく、拠出余地がない場合
③ DB等の他制度掛金相当額とDCの事業主掛金額で5万5,000円を超えている場合