トランプ大統領の優先順位と「時間差」で来る混乱
このホルムズ海峡の封鎖がいつまで続くのか、現時点では不透明と言わざるを得ません。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、トランプ大統領にとって封鎖の解除は優先事項としてそれほど高くなく、むしろ核開発の抑止に重点を置いている節があります。
米国自体がエネルギー算出国であることもあり、日本のようなエネルギー輸入国との間には、この問題に対する危機感の温度差が存在しています。
仮に状況が一転して封鎖が解除されたとしても、既に撮影時点で1ヶ月以上封鎖が続いてしまったという事実は消えません。
この影響は時間差で物流網の混乱として現れ、一時的な在庫不足や材料価格の高騰を招き、企業の業績に少なからずダメージを与えることが予想されます。
期待値の剥落と真の負の側面
長期投資において、こうしたリスクが顕在化して株価が叩き売られたタイミングは、確かに絶好の購入機会になるかもしれません。
しかし、その裏側に潜む本質的なネガティブリスクの実態を知らずに飛び込むことは非常に危険です。
昨年末から、AI需要の高まりを背景に、国内外から半導体材料メーカーに対して多くの買いが入りましたが、現在の株価にはかなり先の期待値までが盛り込まれてしまっています。
今回の封鎖長期化によって、その期待値が一気に剥落してしまう可能性も考慮しなければなりません。
「絶好のチャンスだ」と思って買ったところから、さらに株価が下がる局面が来た時、この材料供給の実情を知らなければ、値下げ圧力に耐えきれずに手放してしまう、いわゆる「狼狽売り」で損を確定させてしまう投資家も出てくるでしょう。
日本の半導体材料の強さは本物ですが、その土台となるエネルギー供給が揺らいだ時には、脆さが顕在化するというリスクを十分に念頭に置く必要があります。
ただ株価が安くなったという理由だけで手を出すのではなく、こうした負の実態を十分に理解し、今後の動向を注視した上で冷静に投資判断を下すことが、賢明な株式投資家に求められる姿勢です。
