<前編のあらすじ>

智恵美さんはちょうど70歳になった頃、夫の武史(74歳)さんと暮らしていました。

智恵美さんは長寿の家系で、長生きすることを前提に年金のことを考えていました。そのため、65歳を迎えた時点で年金は繰下げ受給を考え、その後70歳から実際に繰下げ受給を始めました。

ただ、繰下げ受給の手続きをした後、夫の武史さんが急逝してしまいます。

智恵美さんは悲嘆にくれながらも、今度は遺族年金の受給の手続きをしようとするのですが……。

●前編:【「2人で長生きしようって言ってたのに…」74歳夫が急逝、残された長生き家系の70歳妻が直面した「年金問題」】

遺族年金をあわせて受給できる

智恵美さんは、年金事務所の窓口の職員より「会社員だった武史さんが亡くなったことにより、智恵美さんは遺族厚生年金の対象になります。武史さんの老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3と、これに寡婦加算が加わって120万円が遺族厚生年金になります」と教えてもらいます。

しかし、続けて「ただし、120万円そのまま受給できるわけではありません。遺族厚生年金を受給するにあたって、智恵美さんの老齢厚生年金相当額が調整の対象となります。具体的には、その120万円から71万円を差し引いた49万円が実際に受け取れる遺族厚生年金になります。老齢基礎年金108万円と老齢厚生年金71万円、遺族厚生年金49万円を併せて受給できることになり、合計で228万円が今後の年金額になります」と説明されます。

「繰下げ受給を選択したので、自分の老齢年金と遺族厚生年金との合計で228万円、月19万円なのね。これなら生活していけそう」と智恵美さんは思いました。

しかし、次の瞬間、あることに気づいてしまいます。

「え? ちょっと待って……遺族厚生年金が調整されるのは仕方ないけど……」

智恵美さんは一体何に気が付いたのでしょうか。