飲み会が左右した10億案件
「そうしたら、岡田が絶対に自分に任せてくださいって言ってきてな。話を聞いてみれば、ノヴェラパークモールの近くに住んでてよく使うらしいし、こっちもそんなにやる気のある反応をされたらうれしくなるだろ。だからつい岡田に任せるって言ってしまってな」
「……でもそれは私のときと同じはずです。なのになぜ実際に岡田になったんですか?」
「まあそれは俺もほだされたというかさ……」
「……は?」
青木は腕組みをしながら答えた。
「岡田がさ、飲み会の間、ずっといろんな企画案を俺に言ってくるんだよ。そりゃあ俺だって飲みの席での話だってことは分かってる。でもな、そこまでやる気があるなら仕事を任せてみたいと思うだろう。若手がどんどん活躍できるようにしていきたいし、だから俺は岡田を上に推薦したんだよ」
青木の説明に結弦は言葉にならない怒りを覚えた。
そんなことを言うなら、結弦だって自分なりに企画を練ったり準備をしていた。ノヴェラパークモールを利用したことだってある。
こぶしを握りしめた結弦の肩に、青木は手を乗せた。
「すまんが今回は俺の顔に免じて、岡田のサポートに回ってやってくれ。な? 頼むよ?」
「……はい、わかりました」
結弦はそう答える以外の選択肢を持っていなかった。
