企業で働く人々の中には、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)と企業型確定拠出年金(DC)の両方に加入できるのか疑問に思っている人も多いだろう。

結論からいえば、一定の条件のもとで併用は可能である。ただし、すべての人が無条件で併用できるわけではない。自分がどちらの制度を利用できるのか、あるいは併用するべきなのかを判断するには、それぞれの制度の特徴と制約を正しく理解する必要がある。

2つの確定拠出年金制度の基本的な違い

iDeCoと企業型DCは、どちらも老後資金を準備するための制度だが、その性質は大きく異なる。

iDeCoは個人が自分で掛金を積み立て、運用する制度である。原則として20歳以上65歳未満の人が加入できる。積み立てた資金は自分で選んだ投資信託や定期預金などで運用し、その運用結果によって原則60歳以降に受け取れる金額が決まる。

注意すべき点は、iDeCoに積み立てた資金は原則として60歳まで引き出せないことである。また、運用商品のラインアップは口座を開設する金融機関によって異なる。

一方、企業型DCは会社が従業員のために掛金を支払い、従業員自身が運用を行う企業年金制度である。運用の結果次第で受取額が変動する点はiDeCoと同じだが、掛金や口座管理手数料などを会社が負担してくれる点が大きな違いである。企業型DCは会社の福利厚生制度の一つとして提供されるもので、運用商品は会社が委託している金融機関のラインアップから選択することになる。