「医薬品株は高リスク」を覆す安定成長、10年で営業益7倍
中外製薬の好調な株価は、業績の高い安定性が評価されていると考えられます。
まず、医薬品株は一般に業績の変動が大きいセクターです。医療用医薬品は承認のハードルが高く、否認となれば開発でバランスシートに積み上げた資産が取り崩され、損益計算書上に損失として表れます。また、無事に承認され販売となっても、他社製品との競合は避けられません。
ここまでは資源やソフトウェアといった開発型ビジネスの全般にいえます。しかし、医薬品は特許期間の終了という特有のリスクを抱えます。独占的な販売期間が終了すれば、通常は後発品(ジェネリック医薬品)に需要を奪われます。
これが医薬品企業が持つ構造的なリスクです。医薬品株は比較的底堅いと紹介されることも多いセクターですが、実際は業績が変動しやすく、投資には高いリスクを伴うことに注意が必要です。
しかし、中外製薬は事情が異なります。代表的な医薬品株ながら、業績に大きな変動は見られません。直近では23年12月期に落ち込んだものの、全体的には増収増益が続いています。25年12月期も売り上げは前期比7.5%増、営業利益は同10.5%増と好調でした。
競合と比べても中外製薬の安定感は群を抜いています。他社は変動が大きいか停滞感があり、中長期の成長率は中外製薬に見劣りします。24年度までの10年間では、中外製薬は営業利益が7倍以上に成長しました。
このように、中外製薬は相対的に堅調な成長が続いてきました。投資家の信頼も厚いことが予想され、好調な株価につながっていると考えられます。

