成長の要因は人口構造

インドの成長を支える最大の要因は、人口構造にあります(図)。インドは2019年に「人口ボーナス期」に突入しており、生産年齢人口(15~64歳)が総人口の3分の2以上を占める状態が2053年まで続くと予測されています。人口ボーナス期は豊富な労働力を背景に経済成長が促される傾向にあります。経済成長と株価上昇には密接な関係があることを考えると、インドの好調な市場環境は今後も続くと推測できます。

出所:Bloomberg L.P.、国際連合「World Population Prospects 2024」のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 ※日本の株価:TOPIX(東証株価指数)、中国の株価:上海総合指数、インドの株価:SENSEX指数、すべてプライス・リターン、現地通貨ベース。生産年齢人口の割合は2024年以降予測値。 *人口ボーナス期は、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が総人口の3分の2以上を占めている期間と定義しています。

また、インドでは都市部に住む人口の割合が2020年時点で34.9%であり、日本の91.8%や中国の61.4%と比べると低い水準にあります。国連の予測では2050年までに約52%まで上昇する見込みです。都市化に伴い、住宅、道路、鉄道、電力、上下水道、デジタルインフラといった膨大なインフラ需要を生み出すので、さまざまな産業で大きな成長機会を創出するでしょう。

インドの消費トレンドには二つの顕著な特徴があります。第一に、デジタル化の急速な進展です。インドには世界最大級のデジタルプラットフォームが形成され、eコマース、フードデリバリー、デジタル決済が爆発的に普及しています。

第二の特徴はプレミアム化です。所得水準の向上に伴い、消費者はより高品質で高価格の商品を選好するようになっています。自動車の販売台数では、10年前は小型車が約40%を占めていましたが、現在はSUVが60%超を占めるまでに変化しました。家電、スマートフォン、ファッション、食品といった分野でも同様のトレンドが見られます。

国内消費の拡大が経済成長の原動力

インド株式市場の特徴は、企業収益の持続的な拡大が株価上昇を支えている点です。インドの代表的な株価指数であるSENSEXは名目GDPの伸びとほぼ並行して成長を続けており、国内消費の拡大が経済成長の原動力になっています。

株価が最高値付近で足踏みを続けており、センチメントの悪化を懸念する声もありますが、資金の流出・流入の変動が激しいのは外国投資家で、国内投資家からは資金の流入が続いています。これはインド国内で積立投資が浸透しているからです。国内投資家の積立投資が市場を支えており、センチメントが悪化した際も大きな値崩れを防いでいます。

ただ、相場の変動が激しい点には注意が必要です。年間の成長率が高いものの、同時に年間の最大下落率も相応に高く、ほとんどの年で10%以上の下落を経験しています。しかし、10%以上の下落を経験しながらも、最終的には年間の騰落率はプラスになっている年も多いことが分かります。下落に驚いて慌てて売ってしまわずに、いかに長く持ち続けるかが成功のカギだと考えています。

実際にインド株を買うメリットとしては、資産の分散効果が挙げられます。インド経済は国内消費の割合が高く、グローバルの景気動向に左右されにくい傾向があるからです。世界株や米国株と組み合わせるとリスクの低減が期待できます。