今年の家計負担は+2.2万円/人程度

以上を踏まえれば、昨年以上の極端な円安が進まなければ、今年のインフレ率は低下する可能性が高いだろう。というのも、先に見た通り、これまでの食料品価格の伸びが鈍化することに加え、政府の諸々の物価高対策の効果が出現するためである。

なお、日経センターが公表している最新(2025年12月分)のESPフォーキャスト調査によれば、CPIコアインフレ率は年明け以降に急速に伸びが鈍化する見通しとなっている(図表6)。

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  • 持続的なインフレ率の維持にはディマンド・プル・インフレが必要であるが、そもそも日本は内閣府と日銀が推計するGDPギャップを見ても、直近で依然として需要不足が続いている。こうしたこともあってか、特に25年後半以降は実質的な購買力の低下などにより日本のインフレ率は低下トレンドに入り、エコノミストコンセンサスによれば、25年10-12月期のコアCPIのインフレ率は+1%台まで下がる見通しになっている。

    仮に、25年12月分のESPフォーキャスト通りに今後も消費者物価が推移するとすれば、2025年のインフレ率+3.1%に対して2026年のインフレ率は+1.8%に鈍化することになる。そして、2024年家計調査の二人以上世帯人員と消費支出データに基づけば、家計の一人あたり負担増加額は2025年に前年から+3.8万円(4人家族で+15.3万円)増加した後に、2026年はそこから+2.2万円(4人家族で+8.9万円)の増加にとどまると試算される。

    なお、内閣府の試算に基づけば、政府の物価高対策で2026年のインフレ率を約▲0.5%ポイント押し下げると試算される。内訳としては、ガソリン・軽油の暫定税率廃止で▲0.3%ポイント、電気・ガスの負担軽減策で▲0.1%ポイント、高校授業料・給食無償化で▲0.1%ポイント程度となる。このため、2024年家計調査の二人以上世帯人員と消費支出データに基づけば、2026年は政府の物価高対策により▲0.6万円(4人家族で▲2.5万円)負担が軽減すると試算される。したがって、物価高対策により今年の家計負担が、対策がなかった場合の2.8万円に対して22%程度軽減することには注意が必要であろう。