• 要旨

  • o 2026年を展望すれば、足元ですでにガソリン・軽油の暫定税率が廃止されていることや、電気・ガスの負担軽減策の効果が2~4月の消費者物価に効いてくることなどから、少なくとも春頃までは明確なインフレ率鈍化の可能性が高い。加えて、足元ではエネルギー価格の元となる原油価格が低下基調にある。またコメ価格のピークアウトに加えて、小麦の商品市況が5年ぶりの水準まで低下していることもあり、今年のインフレ率は2%を下回る可能性すらある。

    o 一方、高圧経済志向の高市政権の誕生が円安圧力となっているが、昨年12月の利上げ以降も日銀が利上げスタンスを崩していないことに加え、来年度の当初予算も一般会計でプライマリーバランスが黒字化する案となっており、一定の財政規律も意識されている。また、5月に交代が予定されているFRB議長人事もハト派の人選になる可能性が高い状況にある。一方、円安の一因となっていた日本の貿易赤字も、一次産品の輸入価格低下等から縮小に向かっている。

    o日経センターが公表している最新(25年12月分)のESPフォーキャスト通りに今後も消費者物価が推移すると仮定すれば、2025年のインフレ率+3.1%に対して2026年は+1.8%に鈍化することになる。そして、2024年家計調査の二人以上世帯人員と消費支出データに基づけば、家計の一人あたり負担増加額は2025年に前年から+3.8万円(4人家族で+15.3万円)増加した後に、2026年はそこから+2.2万円(4人家族で+8.9万円)の増加にとどまると試算される。

    o 与党における物価高対策(ガソリン軽油の暫定税率廃止、電気・ガス負担軽減策、高校授業料・給食無償化)で今年のインフレ率を▲0.5%程度押し下げることとなり、一人当たりの負担軽減額は前年から▲0.6万円(4人家族で▲2.5万円)になると試算される。したがって、政府の物価高対策でインフレに伴う今年の家計負担額は▲22%程度軽減されることになる。