2026年の物価は伸び減速の可能性
原稿執筆時点における直近25年11月の全国消費者物価(以下CPI)を見ると、生鮮食品を除く総合が前年比+3.0%となり、伸び率が高止まりしている(図表1)。背景には、コメの価格が高騰し、食料品価格が物価を押し上げたこともある。いずれにせよ、少なくとも2025年の日本のインフレ率は、日銀が目標とする2%を上回ってきたことになる。
しかし2026年を展望すれば、昨年末からガソリン・軽油の暫定税率が廃止されていることや、電気・ガスの負担軽減策効果が2~4月分のCPIに発出することから、少なくとも春頃までは明確なインフレ率鈍化の可能性が高いだろう。加えて、足元ではエネルギー価格の元となる原油価格が低下基調にある。また、小麦の国際相場が5年ぶりの水準まで低下していることもあり、インフレはさらなる減速の可能性すらある。
特に、低下基調にある輸入化石燃料価格の影響が遅れて電気・ガス料金に反映されることからすれば、電気・ガスの負担軽減策終了後も多くの地域で負担増加額は抑制されることになる。ただ、依然として中東やロシア・ウクライナで紛争が長期化しているため、情勢次第ではエネルギー価格が大きく上昇することに注意が必要だろう。
一方、食料品の価格についても、足元で上昇ペースが鈍化していることから、今後もしばらく伸び鈍化が続く可能性が高い。特に、コメ類の価格の伸び率が急速に鈍化していることは注目に値する。また、世界的な好天を受けた小麦価格の下落に加えて、家畜の餌などで代替品となる大豆やトウモロコシの価格も抑制される可能性がある。このため、こうした食材を原材料とした加工食品や外食なども、今後値上げペースが鈍化することが予想されよう。