2025年中盤からプライベートアセットを組み入れた投資信託の設定が続く
さて、ここに来てプライベートアセットを組み入れた投資信託の設定が相次いでいます。少し前になると、2022年8月に設定された三井住友DSアセットマネジメントの「LGT上場プライベート・エクイティ戦略ファンド」や、2025年6月に設定された三井住友DSアセットマネジメントの「EQTプライベート・エクイティ戦略ファンド」、2025年9月に野村アセットマネジメントが設定した「野村DCグローバル・プライベート・エクイティ関連株式ファンド」、2025年12月にニューバーガー・バーマンが設定した「ニューバーガー・プライベート・エクイティ・ファンド」などがあります。
本来、プライベートアセットへの投資は、年金基金などプロ向け商品の色彩が濃かったのですが、それがいよいよリテール向けに販売されるようになったのです。
前述したように、プライベートアセットへの投資にはいくつかのメリットはありますが、それはデメリットの裏返しでもありますし、何といっても流動性に難がある点は、相当のリスクです。
たとえば「ニューバーガー・プライベート・エクイティ・ファンド」の場合、毎月末営業日から遡って4営業日前を解約申込受付期限とし、実際に換金する際の価格は、解約申込受付期限の翌月の27日の基準価額が適用されます。
つまり、解約を申し出てから1カ月程度かからないと、解約する際の基準価額が分からないのです。ということは、その1カ月間のうちに、基準価額が大きく下落するような大きな出来事があると、想定したよりも大幅に値下がりした基準価額で計算した手取りしか受け取れなくなる恐れがあります。
投資信託に初心者向けとプロ向けもないとは思いますが、プライベートアセット特有のリスクがあることには十分に留意する必要があります。
