年収700万~1000万円未満あたりが分水嶺?

続いては個人投資家が取引対象としている株や投資信託といった有価証券について。金融資産の中で、有価証券はどのくらいを占めるのだろうか。

有価証券の保有額ランキング(全体)
1位 100万~300万円未満 17.3%
2位 1000万~3000万円未満 14.7%
3位 500万~1000万円未満 12.8%
4位 50万~100万円未満 12.3%
5位 300万~500万円未満 12.0%
6位 10万~50万円未満 10.4%
7位 10万円未満 9.5%
8位 5000万円以上 6.3%
9位 3000~5000万円未満 4.7%
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

調査結果(全体)によれば、回答率1位は「100万~300万円未満」(17.3%)、2位は「1000万~3000万円未満」(14.7%)、3位は「500万~1000万円未満」(12.8%)と続く。先ほどの金融資産と同様、有価証券でも各年収帯で何か傾向があるのかを見ていこう。

有価証券の保有額(個人:年収別)

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

最初に年収300万円未満だが、最多回答は全体と同じ「100万~300万円未満」(18.1%)。しかし2位は「50万~100万円未満」(14.3%)、3位は最も金額が小さい選択肢である「10万円未満」(13.4%)だった。最多回答を中心に2位と3位の位置が全体とは逆になっているのだ。

次の年収300万~500万円未満、年収500万~700万円未満でも最多回答は「100万~300万円未満」を踏襲するが、均衡が破られるのは「金融資産」と同様、年収700万~1000万円未満。最多回答は「1000万~3000万円未満」(21.7%)と約10倍に跳ね上がる。

最後に年収1000万円以上。最多回答は同じく「1000万~3000万円未満」(24.9%)だが、2位に登場したのは最も金額が大きい選択肢である「5000万円以上」(21.2%)。ただし年収700万円未満で回答率1位だった「100万~300万円未満」も12.5%と依然として3位をキープしている。有価証券を多く持つ人とあまり持たない人で二極化が生じている可能性もありそうだ。

なお平均保有額ベースで見た金融資産に占める有価証券の割合で見ると、年収300万円未満は約55%。年収が上がるにつれて割合も上がり、最も高い年収1000万円以上では約70%に達した。