世帯年収は50代がピーク
年代別では、50代の世帯年収が最も高く789.8万円、次いで40代の780.1万円、30代以下の734.0万円と続いている
「300万円未満」は17.6%と個人年収(42.6%)に比べて大幅に少なく、「1000万円以上」の高年収層は合計19.2%と個人年収(6.9%)の約3倍になっている。世帯年収では二人以上の収入が合算されるため、より高い収入層に分布が偏る傾向にある。
なお調査結果を前回(2024年)、前々回(2023年)と比較すると、個人年収の平均は2023年の438.9万円から2024年に451.8万円へと上昇した後、2025年には443.1万円とやや減少している。一方、世帯年収は2023年の657.2万円から2024年に672.8万円、2025年には678.4万円と緩やかに上昇を続けている。
また世帯人数は平均2.4人。内訳は2人(38.3%)、1人(22.3%)、3人(20.9%)、4人(13.3%)、5人(3.7%)、6人(1.0%)などとなっている。
個人年収と世帯年収の比較と関係性
個人年収と世帯年収を比較すると、4つの特徴が見えてくる。
1つは平均年収の差。前述どおり、世帯年収(678.4万円)は個人年収(443.1万円)より平均で約235万円高い。2つ目は年収帯の違いだ。個人年収では「300万円未満」が42.6%と最多だが、世帯年収では「300万〜500万円未満」が25.0%と最多になり、全体的に高い方にシフトしている。3つ目は年代による変化。個人年収、世帯年収ともに40代、50代でピークを迎え、60代以降は減少する。4つ目には世帯構成が関係する点が挙げられる。個人年収では個人差が大きいが、世帯年収ではその差が縮まる。これは配偶者の収入が合算されることで、差が平準化される傾向があるためと考えられる。
投資を考える上でこうした年代や世帯の形態による年収状況は参考の一つになるだろう。投資にあてられる資金や投資目的は各自で異なる。年収状況や将来計画を踏まえた投資戦略の検討が不可欠だ。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人
