個人投資家5000人を対象にした「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)では、金融知識の高さと平均年収や金融資産の保有額の関係性を調べている。

金融知識はどう測る?

結果を端的にいえば、金融知識が高いほど平均年収や金融資産の平均保有額が高くなる傾向があることが示された。そこで気になるのが、そもそも前提となる金融知識とはどのように判断されるのかという点ではないだろうか。調査では金融知識を測るために4つの問題を用意し、その正答数によって金融知識の高低を3グループに分けた。全4問を正解した人は高、2~3問正解は中、1問正解または全問不正解は低としている。

ちなみに4問のうち、最も正解率が高かったのは「平均以上の高いリターンがある投資には、平均以上の高いリスクがある」という問題で、正解率は82.1%(正解は「正しい」)。反対に正解率が最も低かったのは、「金利が上がったら、通常、債券価格は下がる」で51.2%(正解は「正しい」)。

なお、この債券に関する問題では「分からない」と回答した人が31.5%と、全4問中で最も多かった。そもそも債券についてあまりなじみがないという人も多いのだろう。