主要マーケットの見通し:債券市場
日本は“責任ある積極財政” 長期金利上昇の伝播に注意
先進国の財政リスクに対し債券市場はシグナルを発しています。国内では、7月参院選で与党が過半数割れし拡張的財政政策がとられるとの見方から30年国債利回りは過去最高の3.3%台まで上昇。足もとでも高市政権の積極財政への警戒から3.2%近辺で高止まっています。海外では、フランスで政局不安による財政再建の遅れを理由に国債の格下げが相次ぎ、超長期債と短期債のスプレッド拡大が続いています。
日本については財政指標の改善が指摘されています。しかし、1)PB※の改善(対名目GDP比:21年度▲5.5%から25年度▲0.5%見込み)は、物価上昇に伴って増加しやすい法人税や所得税の税収増(21年度から24年度で+15.0%)で歳入が増加した一方、今後増加が見込まれる非社会保障支出に係る歳出が減少(同▲8.1%)したことによるもの、2)対GDP政府債務残高の改善(21年度210.8%から25年度201.0%見込み)は、分母の名目GDPが物価高で伸びていることによるものです。懸念されるのは長期金利の上昇です。財務省の試算では想定から1%上振れすると利払い費は25年度10.5兆円から35年度には3倍増の34.4兆円に膨らみます。
財政懸念が広がる火種は各国に点在します。1)米国ではインフレ再燃から長期金利が上昇し、利払い費増大が懸念されるケース、2)日本では「積極財政」「高圧経済」が市場で強く意識され円安と長期金利上昇が同時進行するケース、3)欧州では政治の不安定化が収まらず公的債務の持続性が懸念されるケースが想定されます。長期金利上昇がグローバルに伝播するリスクに関しては最重点で注意する必要があると考えます。
※プライマリーバランス=基礎的財政収支

関連リンク:https://www.resona-am.co.jp/market/report_s/2025/251120_m.pd
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