2025年度後半の投資環境見通し:マクロ環境・金融環境
マクロ環境:世界的投資競争に日本参入、潜在成長率アップを目指す
高市政権は、成長戦略の司令塔となる『日本成長戦略本部』を新設し、AI(人工知能)など17分野への重点投資を通じた潜在成長率アップを目指します(下図表)。民間企業による設備投資を促すため、「設備投資促進税制」を創設し、設備投資の取得費用を初年度に一括して計上できる「即時償却」の導入などが検討される見通しです。
同様の民間投資促進策は、既に欧米で広がっています。米国では今年7月に成立した減税法(OBBBA※)で第一次トランプ政権時に導入された「設備投資費用の即時償却」が復活・拡張されました。ドイツでも年間30%の減価償却を可能にする民間投資促進法が7月に成立しました。背景には、世界市場で中国製品が支配的地位を持ち始めたことへの対抗目的があると考えられます。
中国は2015年に世界の製造強国入りを目指した「中国製造2025」を発表。半導体、エネルギーなど10の重点分野で、世界をリードする中国企業の育成を始めました。巨額の補助金だけでなく、エネルギー供給網の整備などインフラ面からも支えています。こうした政府の全面的支援が国際競争上優位に働くことは疑いなく、エヌビディア社のファンCEOは「エネルギーコストが低く規制が緩い中国がAI競争で勝利する」と警告します。
日本も世界的な投資競争に参加する形です。経団連(筒井会長は成長戦略本部委員)が昨年末に発表した2030年までに民間設備投資200兆円(25年2Q時点110兆円、達成には年率4%の成長が必要)が当面の目標になると予想されます。アベノミクスで成果が出なかった3本目の矢「民間投資を促す成長戦略」の捲土重来が期待されます。
※OBBBA=One Big Beautiful Bill Act

