資金援助には慎重
このように子どもや孫にNISA口座開設をすすめる意向はあっても、実際に資金援助をするかどうかについては慎重な意見が目立った。調査では、未成年の子どもや孫がNISA口座を開設できるようになったら資産運用のための資金を援助したいかという質問も行っている。結果、「はい(資金を援助したい)」が42.7%、「いいえ(資金を援助したくない)」が57.3%と、口座開設を勧めたい意向(64.0%)と比べると消極的な意見が増えている。
未成年者のNISA資産運用資金援助意向
※NISA口座開設者
この質問でも年代による回答差が見られ、30代以下では59.0%が援助に前向きな一方、70代以上では31.9%にとどまっている。若い世代ほど資金援助に積極的な理由としては、自身の子どもがまだ小さく、これからかかるであろう教育費などを作っていこうという意向があるのかもしれない。対して高齢世代では、すでに相続や生前贈与など別の形で資産移転を考えている可能性も考えられる。
口座開設をすすめる意向と資金援助を行う意向に差があるのはなぜだろうか。「投資の機会は提供したいが、お金の価値や運用の意味を理解するためには自分のお金で取り組むべき」という教育的な考えが背景にあるのかもしれない。あるいは、単純に援助できるほどの余裕がないという経済的事情もあるだろう。

