「グロース・オポチュニティ」等人気ファンド集めた「アクティブ・ラップ」
9月の新規設定ファンドで追加型として「好利回り円債・短期戦略ファンド(年1回決算型)」が約23億円の資金を集めた。同ファンドで「年4回決算型」が約9億円だったので、合計で30億円程度の資金を集めたことになる。主に円建ての短期(残存期間2.5年程度)ハイブリッド債券に投資するファンドだ。ハイブリッド債券は発行体が法的整理や破綻処理等に至った場合に、一般の債権者よりも債務弁済の順位が劣後するため、通常の社債等よりも高い利率で発行されている。現在、国内短期金利は上昇傾向にあり、円建て短期ハイブリッド債券の利回りは残存約1.7年で年1.82%(2025年8月末時点)になっている。ファンドの運用方針にのっとって8月末時点で最終利回り1.36%(コスト控除後)、直接利回り0.76%(同)、残存年数1.94年、平均格付けA格というモデルポートフォリオが作れたという。
「SMT米国高配当&自社株買いファンド(年4回決算型)」は、米国企業の高い株主還元の姿勢に注目し、配当利回りが高い株式を50%、そして、自社株買いに積極的な株式を50%という比率で投資するファンドだ。米国株式市場は史上最高値圏にあり、高値波乱といえるような急速な株価の上下動を演じているが、配当利回りなどインカム収益の高い銘柄は利回りが株価下落への抑止力にも働き、比較的安心して投資ができるカテゴリーといえる。同ファンドのモデルポートフォリオでは2025年8月末時点で、予想PER19.1倍(S&P500では24.3倍)、ROE30.2%(同18.4%)、配当利回り1.8%(同1.0%)、自社株買い利回り2.9%(同1.5%)と相対的に魅力的なポートフォリオができたとしている。
「フィデリティ・アクティブ・ラップファンド」は、グローバル分散ポートフォリオをフィデリティの旗艦ファンドであるアクティブファンドを使って構築し、インデックスファンドを使った通常のバランス型ファンドよりも、より高いリターンをめざす。「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド」や「テンバガー・ハンター」、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」など代表的なファンドを使う。基本的な配分比率を株式25%、債券75%とする「スタンダード」、株式55%、債券45%の「グロース」、株式80%、債券20%の「アグレッシブ」という3つのコースがある。
執筆/ライター・記者 徳永 浩
