パフォーマンスで圧倒する「グロース・オポチュニティ」
10月のランキングで売れ筋トップ10の第2位をキープした「MUFGウェルス・インサイト(標準型)」は、全世界の株式、債券、不動産投信(REIT)を投資対象にしたバランス型ファンドだ。リスク水準の異なる3つのコースがあり、年率標準偏差6%程度で安定性を重視する「保守型」、年率標準偏差10%程度で安定性と成長性の両面でめざす「標準型」、そして、年率標準偏差14%程度で成長性を重視する「積極型」となっている。「標準型」のリターンは10月末時点で1年12.21%、3年は39.56%になっている。リスク水準を年10%程度に抑えて、年率10%を超えるリターンを稼ぎ出してきた。「標準型」については、預金から投資への切り替えの中で、第一の選択肢として提案されている商品の1つと考えられる。世界の資産に分散投資するという投資信託のメリットがよく表れている商品であり、かつ、リスク水準も比較的低く設定されている。価格変動リスクに慣れていない人が、比較的安心して保有できる商品として使われ続けているファンドなのだろう。
そして、注目されるのは「積極型」のパフォーマンスだ。2023年12月末を起点として2025年11月7日までのトータルリターンは39.77%で、これは、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>」の33.27%を超えている。この2ファンドは同じ程度のリスク水準で運用しているファンドだ。結果的に、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>」の基準価額が横ばいとなる中で10月になって基準価額の上昇率で上回った。これは、「MUFGウェルス・インサイト」の資産配分比率による運用が、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>」の銘柄選定力による運用を一時的にせよ上回った結果といえる。
一方、アクティブファンドの中では、ランキングで第4位になっている「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Dコース」がずぬけて高い運用成績になっている。2023年12月末を起点として2025年11月7日時点の上昇率は59.79%と、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などの54%台を上回る成績だ。ランキングの順位では第2位の「MUFGウェルス・インサイト(標準型)」や第3位の「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>」に後れを取っているが、現在のパフォーマンスが維持されれば、いずれ評価も変わってくるものと考えられる。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

