手数料重視の40代・50代、分配金重視のシニア層

年代別に重視点を見ていくと、興味深い特徴が浮かび上がる。

「安定性やリスクの低さ」は70代以上で56.7%と特に高く、65〜69歳も55.5%と同程度。反対に30代以下では47.6%と相対的に低く、若い世代ほどリスクを取る傾向がうかがえる。

一方、「成長性や収益性の高さ」は30代以下で55.4%と最も高く、年代が上がるにつれて低下し、70代以上では45.4%。若年層ほど収益性を重視し、高齢層ほど安定性を重視するライフステージに応じた投資姿勢の違いが明確に表れている。

一方、「信託報酬の安さ」は40代で41.5%、50代で38.7%と、中堅世代で特に高いが、70代以上では23.7%と大きく下がる。「購入・販売手数料の安さ」も65〜69歳を除く高齢層で低い傾向にある。信託報酬の安さと購入・販売手数料の安さを合わせると50代が75.6%と最も高く、40代が75.0%と続く。

この結果から資産形成の途上にある40代、50代の現役世代は長期投資におけるコスト意識が高く、対して高齢層はすでに蓄えてきた資産の取り崩し段階にあり、安定性や分配金を重視する傾向があるようだ。

「分配金の頻度や実績」を重視する割合は70代以上で28.9%、65〜69歳で25.9%の順に高く、40代(13.9%)、50代(15.2%)と比較すると大きな差がある。高齢層が年金収入を補完する定期的な収入源として投資信託を活用している可能性の表れだろう。