「電力事業」や「ブロックチェーン」のパフォーマンスに注目

「ニュートン・パワー・イノベーション・ファンド(為替ヘッジなし)」は、電力需要の拡大や電力市場の変革に伴い恩恵を受けることが期待される世界の株式に投資するファンドだ。「発電」「送電」「蓄電」という電力事業に関する幅広い分野をカバーする銘柄選択を行う。2025年9月末時点の組み入れ上位銘柄は、スイスでスマートグリッド事業を行う「TEコネクティビティ」、米国のスマートグリッド関連「ハベル」、イタリアの超電導ケーブル関連「プリスミアン」など送電関連企業に加え、ガスタービンを手掛ける米国「ハウメット・エアロスペース」、原子力発電の米「セントラス・エナジー」など発電関連事業者、オーストラリアでレアアースの探査・採掘を行う「ライナス・レア・アース」など蓄電関連事業者も組み入れ上位銘柄にある。バランスよく電力関連事業を組み入れている。従来のハイテク関連ポートフォリオとは大きく異なる企業群に投資しているところが新しい。

10月に売れ筋ランキングで第4位にジャンプアップした「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド」は、ブロックチェーン技術を用いた決済システムやサービス等のブロックチェーン・ビジネス関連企業の株式に投資するファンドだ。同ファンドのパフォーマンスについて2023年12月末を起点として他のファンドと比較すると2025年11月7日時点で「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」に匹敵するパフォーマンスになっている。ブロックチェーン技術はこれからの決済インフラとして期待されている。9月の上昇要因は、月報によると、「AIクラウドサービスやAIデータセンターへの活発な投資需要を受けて、高性能コンピューティングデータセンター開発の事業ポートフォリオを持つアイレン(豪)やサイファーマイニング(米)などの暗号資産マイニング企業の株価が大きく上昇」となっており、ブロックチェーン技術が直接的な要因にはなっていないようだが、今後の展開を見守りたい。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩