「A格」を新規取得 収益性の改善が評価

マルハニチロは2023年ごろに株価水準を切り上げました。2500円前で推移していた株価は、24年に3000円台まで上昇。同年7月には一時3408円まで上昇しました。

以降は再び3000円前後まで値を下げたものの、25年8月に今期(26年3月期)第1四半期の決算を公表すると、業績見通しの上方修正も発表したことから、株価は一時4.3%高と上昇。9月には年初来高値となる3600円まで値上がりしました。

【マルハニチロの株価チャート(過去5年間)】
・株価:3471円(2025年10月27日終値)

マルハニチロの株価チャート(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

配当利回りも、今期(26年3月期)予想で3.17%と比較的高い水準です。今期から配当方針に数値目標を導入しており、従来の「安定的な株主還元の継続」から、28年3月期までは「配当性向30%以上を前提とした累進配当」に変更しました。具体的な目標を設定したことで、高配当株として需要が高まることが期待されます。

【マルハニチロの予想配当利回り(26年3月期)】

・予想配当金:110円
・予想配当利回り:3.17%

出所:マルハニチロ 決算短信

業績も改善しているようです。マルハニチロは25年3月、格付投資情報センター(R&I)が格付けを「BBB+」から「A-」へ引き上げました。格上げの理由は「事業・地域の両面で収益源の分散が効き安定して稼げるようになっている」としています。

R&Iが認めるように、マルハニチロは収益性が向上しています。直近の25年3月期は、07年のニチロとの経営統合後で過去最高の営業利益を計上しました。業績の改善は、同社が長く取り組んできた改革が背景にあります。26年3月には社名を「Umios(ウミオス)」へと変更する予定で、大きな変化が訪れています。

マルハニチロは、どのようにして収益を改善させたのでしょうか。これまでの経緯と今後の見通しを解説します。