「ディープバリュー」、「国内コンテンツ関連」、「欧州株」も

9月の新規設定ファンドの投資対象は広がりがある。「ドナルド・スミス グローバル・ディープバリュー戦略株式ファンド」は、通常のバリュー投資で用いられているPBR(株価純資産倍率)の資産価値の算定を有形資産のみとし、一段と割安性が強い銘柄群に厳選投資するファンドだ。AI関連、半導体関連など、米国株中心のグロース株(成長株)相場が続いてきたところへ、これまでの流れとは大きく異なる視点で銘柄を選ぶファンドになっている。

また、「ジャパン・クリエイティブコンテンツ関連株ファンド」は、国内のアニメやゲームなど、世界的な評価も高いエリアに投資するファンドだ。これまで投資家の目が、米国「S&P500」や全世界株式「オルカン」など外国株式に向かっている中で、国内株ファンドは「日経225」などインデックスファンドが細々と売買されてきたが、新たに設定された国内株アクティブファンドが100億円近い設定額でスタートしたことは、国内株式市場への期待の高まりが感じられる。

同じように、米国一辺倒からの分散を意識した動きが「カレラ英連邦3国ファンド」や「ニッセイ・S欧州株式500インデックスF<購入・換金手数料なし>」など欧州株に投資するファンドだろう。欧州株は英国「FTSE100」やドイツ「DAX」などが10月にも史上最高値を更新するなど好調が続いている。行き過ぎた米国株への集中を反省する動きが国内株や欧州株にも投資することを考えたいという動きに通じているのだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩