不動産への投資をしたいのならREITという王道の手法もある…
確かに、これらのシリーズは年6~7%の配当利回りを提示していて、収益性の面では魅力があります。
しかし、出資した匿名組合員の多くは、事業が失敗した時に元本に毀損が生じる恐れがあることや、出資した事業の実現可能性にまでは、恐らく考えが及ばなかったのではないかと思われます。匿名組合契約に基づく事業出資を行う際には、事業の実現可能性、持続可能性にまで踏み込んで、内容を調べる必要があります。
もうひとつ、匿名組合契約による不動産投資を行うなら、最初からJ-REITを買った方が、恐らく有利です。匿名組合契約で出資して得られた収益に対しては、預貯金の利子や債券の利金のように源泉分離課税ではなく、雑所得として総合課税扱いになります。雑所得は損益通算ができませんし、逆に利益が出れば累進課税が適用されてしまうため、税制上のデメリットが大きくなります。
よく匿名組合方式のファンドなどを見かけますが、税制面においては決して有利な投資対象ではないので、その点も踏まえたうえで、購入の是非を検討する必要があります。