避けたい「元本割れ」への対策は?

30代二人以上世帯では元本割れ対策についてどう考えているのだろう。単身世帯では「何もしていない」との回答が6割を超えたが、結果は同様だろうか。

金融資産をより安全にするためにとった行動(30代二人以上世帯)

金融資産をより安全にするためにとった行動(30代二人以上世帯)
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数648、複数回答)よりFinasee編集部作成
 

調査結果によると30代二人以上世帯の金融資産を安全に保有するためにとった行動について最も回答率が高いのは「何もしていない」で56.6%だった。単身世帯も同様にこの回答がトップだったが(62.9%)、二人以上世帯の方が6.3ポイント低い。実際に行動に移しているのは二人以上世帯の方が多いようだ。

次いで「金融商品の安全性に関する情報を収集した」が22.8%。これは二人以上世帯の中では他の年代と比較して最も多く、積極的に情報収集する姿勢がうかがえる。

さらに「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預入れ先を分散した」が14.5%で続く。

なお、二人以上世帯の中で30代が最も多い割合を占めた項目は「金融商品の安全性に関する情報を収集した」のほかにもう一つあり、「一千万円を超える部分で、他の資産を購入した」(4.9%)だった。30代という年代から、マイホームなどの不動産を購入した層もいるのかもしれない。

30代、“時間”を資産運用の味方につけよう

30代はまだ先が長く、資産形成においても時間を味方につけることが有効だ。一時的に元本割れを経験したとしても、取り戻すための時間があることは大きなメリットだ。

リスク性商品で運用することに慎重な姿勢を示す人もいるが、情報収集や資産の分散など、何らかの対策を取っている人も見られることが調査結果からは明らかになっている。

30代は一般的に今後の収入増が見込まれる年代だ。人によっても異なるだろうが、資産運用に向ける資金も増やせる可能性がある。将来の資産を増やすためにも自身の資産状況や将来設計を考えながら、資産運用の攻めと守りを適切なバランスで舵取りしていきたい。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査