元本割れ対策は取っている?
リスク性商品も活用して積極的に資産を増やしていく傾向が見られる二人以上世帯だが、元本割れ対策についてはどうだろうか。単身世帯では「何もしていない」との答えが最も多かったが、二人以上世帯では異なる傾向が見られるのか。調査結果を見ていこう。
■金融資産をより安全にするためにとった行動(40代二人以上世帯)
40代二人以上世帯が金融資産を安全に保有するために取った行動について、最も回答率が高いのは「何もしていない」で60.9%だった。ただし単身世帯(72.8%)に比べると11.9ポイントも低く、何らかの行動を取った人が4割近いという結果となっている。
どんな行動を取ったのかを具体的に見ていくと、「金融商品の安全性に関する情報を収集した」が17.3%、「一金融機関に預けた預金金額が一千万円を超えないように、預入れ先を分散した」が14.9%で続く。これらは単身世帯よりそれぞれ5.3ポイント、2.6ポイント高い水準だ。
家族で話し合っているのであろうか、あるいは将来についてより慎重になっているのか、単身世帯に比べて何らかの対策を取っている世帯が多いようだ。
元本割れは避けたいが、対策意識には違いも
年代的に、老後資金を貯める途上にある40代は増える可能性がある金融商品への投資に一定の関心を示している。特に二人以上世帯では積極派が2割を超え、消極派も4割程度にとどまっており、単身世帯よりもリスク性商品への関心が高い傾向にある。
元本割れ対策については、単身世帯・二人以上世帯ともに「何もしていない」という回答が最も多かったが、二人以上世帯の方が何らかの対策を取っている割合が高かった。
一方で、元本割れがないように見える預貯金にも注意が必要だ。金融機関が破綻すれば原則として元本は1000万円までしか保護されないからだ。また最近では物価上昇による資産価値の目減りも気になるところだ。
40代の今後のこれからの資産形成では預入先や金融商品の分散化を図っていくことが重要となりそうだ。一時的に元本割れすることがあっても、40代なら老後まではまだ時間がある。リスクとリターンのバランスを考慮しながら、自身に合った資産形成の方法を検討していくことが大切だ。
<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査

