収益性はどれくらい上がった? 構造改革の効果を確認

構造改革は大きな痛みを伴ったものの、コニカミノルタはリストラを完遂したとの認識です。現在地を確認しておきましょう。

まずは事業の全貌です。現在は大きく4つの事業を展開しますが、うち「プロフェッショナルプリント」と「インダストリー」の一部、また「画像ソリューション」のうちヘルスケアを強化事業と定義し、事業の拡大を目指します。主力の「デジタルワークプレイス」のオフィス事業は収益堅守事業の位置づけで、利益とキャッシュの安定的な創出を担います。

【セグメント情報(25年3月期)】

コニカミノルタのセグメント情報(25年3月期)を表した図表
 
出所:コニカミノルタ 決算短信
 

収益性はどうでしょうか。構造改革の主な目的は収益性の改善でした。構造改革などに起因する一時的費用を除いた事業貢献利益(※)でみると、22年3月期からは黒字に復帰しています。もっとも、同利益は横ばいの状況で、改革の効果はまだ十分に発現していません。

※事業貢献利益…売上高から売上原価と販売費および一般管理費を控除したもの

コニカミノルタの業績(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:コニカミノルタ 決算短信より著者作成
 

構造改革の効果は、今期(26年3月期)から発現する見通しです。事業の選別などから売上高は減少を見込みますが、大型の一過性要因は発生しない見通しで、各段階利益は黒字への回復を予想します。前年は一過性要因として959億円の費用を計上していました。

なお、一過性要因のはく落を除いても、収益性の改善計画は顕著です。事業貢献利益は前期比1.6倍を見込んでおり、事業貢献利益率は5.0%と、コロナ前(19年3月期)の同4.79%を上回る予想です。1株あたり配当金は10円を予定しており、2期ぶりの復配を見込みます。

【コニカミノルタの業績予想(26年3月期)】

・売上高:1兆500億円(-6.9%)
・事業貢献利益:525億円(+64.4%)
・営業利益:480億円(前期は640億円の赤字)
・純利益:240億円(前期は475億円の赤字)
※()は前期比
※事業貢献利益…売上高から売上原価と販売費および一般管理費を控除したもの
※同第1四半期時点における同社の予想

出所:コニカミノルタ 決算短信