4人に1人が日銀に関心

日銀では、自らに対する関心や評価についても同調査において尋ねている。結果、「日銀の活動に日頃から関心がある」と回答した人は26.9%にとどまった(「関心がある」と「どちらかと言えば、関心がある」の合計)。

日銀の活動に日頃から関心がある

(図表)日銀の活動に日頃から関心がある
 
出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>)」
 

「どちらとも言えない」が30.4%、「関心はない」(「どちらかと言えば、関心はない」含む)が41.8%となっており、関心を持っていない層が最も多い結果となった。

このことからは、日銀について日ごろからそんなに意識をしていない人が多いことが分かる。しかし、関心が薄いからといって「関係がない」と思っているわけではないことが次の調査結果から判明している。

日銀への関心は低いが、生活との関係性は認識

日銀について、私たちの生活に関係があるか否かを聞いた質問では、「関係がある」(「どちらかと言えば、関係がある」含む)と回答した人が72.7%と高い割合を示した。

日銀は私たちの生活に関係がある

(図表)日銀は私たちの生活に関係がある
 
出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>)」
 

「どちらとも言えない」18.5%、「関係がない」(「どちらかと言えば、関係がない」含む)8.0%を大きく引き離している。

さらに、日銀は私たちの生活に役立っているかとの質問では、「役立っている」と回答した人(「役立っている」と「どちらかと言えば、役立っている」の合計)は40.0%となった。

「知ることで、つながる」「分かれば、見えてくる」

日銀の目的や活動に関する認知度は全体的に低く、物価や金融システムの安定という中央銀行の基本的な目的について「知っている」と回答した人はいずれも2割台後半にとどまった。一方で、7割超の人が日銀と自身の生活には関係があることを認識している。

その存在が生活に影響を与えることは広く理解されているが、その具体的な役割や活動、貢献については十分に伝わっていない可能性がある。

調査結果では、物価上昇率2%を目標にしていることを知っている人が2割、見聞きしたことはあるがよく知らないが3割いることが明らかになっている。

日銀は2013年1月にその目標を設定し実現を目指しているが、なぜ2%なのか、その後どのように推移し、進捗はどうなのかを分かりやすく訴求していけば興味を持つ人が増えるかもしれない。あるいは私たちの家計や住宅ローンなどに物価目標や金利政策がどう影響するのかといった身近な生活をテーマに、より分かりやすい情報を自ら発信することが望まれる。そして何より私たち一人ひとりが関心を持つ、高めるという姿勢から始まるといえそうだ。

●実際、私たちは日銀の説明をどう感じているのか。後編「日銀の説明は分かりにくい?」2000人調査から理由が判明【アンケートから読み解く】」にて詳報している。

調査概要 調査名:生活意識に関するアンケート調査(第102回<2025年6月調査>) 調査主体:日本銀行 公表日:2025年7月14日 調査期間:2025年5月1日~6月3日 調査対象:全国2016人(満20歳以上)